ゴールドを相手にする際の心構え


<ゴールドの価値は共同幻想?>




ゴールドの価値とは何なのでしょうか?

可視光線反射率では銀に劣り、電気抵抗の低さでも銀に劣り、希少性ではプラチナ、パラジウムに劣るわけで、役に立つとか立たないととかそういう尺度ではその価値は測れず、食べることだってできやしない。

結局のところ
「皆が価値があると思っているから価値がある=共同幻想で価値を担保されている」

 こういうものって皆さんもお持ちですよね。財布の中に入っているお札です。
ゴールドの場合は円に両替しないと使えませんからということは・・・つまりゴールドは・・・


「外国為替みたいなもんなんだよー!!!」

「ナンダッテーっ!!!」




<ゴールドの問題点は金利がつかないこと。しかし裏を返せば・・・>

ゴールドの問題点としてよく言われるのが
「ゴールドは金利を生み出さない」
という点です。でも

 FXをやって長い方や、大学で経済を取った方ならご存知とおもうのですが、経済学の金利平価説では「高金利通貨は値を下げる」というものがあったはずです。



 短いスパンでは中央銀行の金利上げは通貨高要因なのですが、年単位のスパンで見ると高金利通貨のレートは切り下げることが多いです。特に新興国通貨>トルコリラ、南アランド


 あくまで仮説であって真理ではないのかもしれませんが、上記金利平値説を前提にすれば金利ゼロのゴールドはFX界では最強のキャピタルゲインを生み出す通貨であることになります。

 




 そんなゴールドにも長い長い低迷期がありました。





金/ドルの過去40年間のチャート



第二次オイルショック以来ゴールドは長い長い低迷期を這いまわっていました。

 生産者は掘ったゴールドが値下がりする前に先物市場で売りをいれて、自分の生産したゴールドを収めることで収益を確保したといいます。

 そんなゴールドを取り巻く環境が変わったのは2003年の金ETFの上場が大きいと考えています。


年金運用などの機関投資家が株式とは全く切り離された動きをするゴールドをポートフォリオに加えたのです。


それらの機関投資家によって保有された金ETFは長期運用であろうことから2003年~2008年リーマンショック前までに形成された金相場は相当に底堅いと予想されます。

 そこで2008年のリーマンショック後には米FRBのQEがスタートしました。

QEは市場をドルでジャブジャブにする政策で、ドルの価値が低下します。
国際金相場は金/米ドルの取引ですので、米ドルの価値低下⇒金の上昇となります。
この流れは2012年一杯まで続いて2013年より下落に転じます

2013年のQE縮小の発表

2014年QE終了

2015年末 米FRBはゼロ金利政策を解除

この3つの出来事を消化したことで2013年からの3年にわたる下落トレンドが終了したと考える場合、金の底値は1050ドル/オンスということになります。

その後ドルは金利上昇局面に入りましたが、ゴールドは対ドルで1年ごとに100ドル/オンスずつ切り上げ続けています。


マネーパートナーズ社のチャートから引用
白丸囲みの位置に書かれた枚数は米国の先物の買い残を意味します。
先物の枚数はゴールドの価格に大きな影響を与えます。


 長い目で見れば「高金利通貨は値を下げる」(裏返すと金利のつかないゴールドは値を上げる)というのは確実にワークしているように思えます。



 そんなゴールドに投資する方法は何種類もあるのですがそれは皆さんのライフスタイルによるでしょう。





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