<この記事の要約>
・金CFDはマメな人向け。長期投資には向かない。でも素晴らしい。
1:CFDとは?
CFDとはContract for Deferenceの略で「差金決済取引」のことです。
かんたんにいうとFXのゴールド版です。
「それじゃあサッパリわからん!」
という方に向けてたとえ話を交えて原理を説明しますと・・・
あなたが中古車販売業を元手5万円で始めたとします。
隣の家の免許取り立ての小僧が「VIPカーに乗りてぇ 30万位で!」
常々言っていたのを耳にした貴方は
昔悪かった従兄弟が「セルシオ買う奴いねぇかな20万で」
と言っていたのを思い出しました。
そこであなたが取るべき行動は以下のようになります。
・「従兄弟に手付5万円打って(残金はあとで絶対払う約束で)セルシオを借りる。」
・「借りて来たセルシオを小僧に30万で売る」
・「従兄弟に残金の15万を払う」
そうするとあなたの手元には15万円が残ることになりますね。
これが差金決済取引です。
すんなりいった場合は上記のようになりますが、もし小僧にセルシオを見せて15万円に値切られるとあなたは5万円の損を出してしまいます。
20万で仕入れた車を15万で売ってしまったら損するのは当たり前
さて説明を実際のCFDにフィットするように抽象化します。
あなたは情報から「20万で仕入るセルシオが30万で売れそうだ」と判断します。
これが「投資判断」にあたります。
そして5万円を手付で打っていますが、これを証拠金と言います。
そしてセルシオを借り出すのですが
これは5万円しかない元手で20万の資産を手にしていることになります。
これをテコの原理に使うレバーに例えてレバレッジを効かせると表現します。
レバレッジは倍率で表現されるので今回の場合は4倍です。
(※金CFDでは最大レバレッジは約20倍までかけられます)
そして隣家の小僧にセルシオを見せて価格交渉が始まるのですがこれが”相場”にあたります。
ここでは元々の資本である5万円ではなく、20万円分の資産に対して価値が評価されています。
目論見どおり30万で売れれば15万円の現金が残りますが
15万に値切られると従兄弟に払う残金も15万円なので手元のお金が0になります。
それでもこれなら店をたたむだけで済みますが
それ以上に値切られて10万になってしまったりすると、従兄弟に払う残金が15万円ですから5万円をよそから工面してこなくてはなりません。
これが追加証拠金(追証とか呼ばれます)です。
2:なぜ金CFDなのか
少し知識がある方なら「それって金先物?」と看破すると思うのですが、そこをあえての金CFDなのです。2-A) 金CFDはドル建て取引である。
金は世界中のプレイヤーが1トロイオンス(約31.1g)当たりの米ドル建て価格で取引しています。円の通用度は世界の通貨の約5%程度らしいので、金相場を見るにあたっては米ドル建てで見る必要があります。
2-B)為替の影響をほぼキャンセルできる。
金価格を見ていると、国際相場では金が強いのに円建てだと変わらないなんてことはざらにあります。これはドル/円の為替レートで金の上昇分が打ち消されているためです。
ドル建て金CFDの取引はこの為替レートの影響をキャンセルし、国際金相場の動きをそのまま利益にできます。
2-C)売買手数料が無料でスプレッドも狭い。
現物金取引の売り値と買い値の差(スプレッドと言います)は1gあたりで86円くらいあるのが普通ですが、金CFDの場合は業者にもよりますが一番スプレッドが小さいGMOクリック証券の場合で0.3ドルです。これを金現物と同じように1gあたりに引き直すとスプレッドは1円くらいのものだということになります。
3-D)売りでも買いでも参加できる。
商品先物でも同じことですが、金が上がると思えば「買い」下がると思えば「売り」でポジションを作れます。
3:金CFDのデメリット
3-A)為替レートの影響をキャンセルする代わりに金利がかかる。
メリット2-A、2-Bの裏返しになるのですが金の買いポジションはドルを借りて金を買っている格好となり金利の支払い(スワップポイント)が発生します。
よってトレンドに乗っているときなら気にならないのですが、現物株のような感覚でポジションを引っ張ると口座残高がみるみる目減りします。
よってトレンドに乗っているときなら気にならないのですが、現物株のような感覚でポジションを引っ張ると口座残高がみるみる目減りします。
3-B)商品先物と違って現受けができない。
差金決済取引なので当たり前なのですが商品先物のように丸代金を払って現物にすることができません。
4:総評
米ドルの金利が上昇する昨今では金CFDは長期で買い持ちできる商品ではありません。
例えていうなら超高性能のスポーツカーのようなもので燃費に難があります。
よって金を買ったらほったらかしとはいかず、チャートを見る力や相場判断などのスキルが求められます。
志高く「ゴールドで相場を張りたい」というプレイヤーには挑戦しがいがある商品だと思います。
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